入門物理学・第7,8回

前回と今回の最初を使って運動量保存則と力学的エネルギー保存則について講義。力積や仕事といった量の定義から入って具体的な計算まで見せたのでしんどい学生も多かったと思うが,得意の雑談で休憩を入れながら引っ張った。あとはどのくらい自分で練習して…

講義したいこと

講義に盛り込みたい内容の取捨選択でいろいろ試行錯誤している。大きく分ければ4つに分類できる。1. 物理という見方 物理屋は自然現象をどういう風に見ているのかということ。例えば保存則の背後に対称性があるとか,初期条件を決めて微分方程式を解いていく…

入門物理学・第6回

本日の『入門物理学』。前回説明した運動方程式について,物体が2体以上あるときの解き方の具体的なコツをサッと紹介。今日のメインテーマは保存則。様々な保存則の使い方の前に,保存則の背景には対称性という自然の持つ「美しさ」があることを話した。対称…

入門物理学・第5回

本日の『入門物理学』の講義内容。ニュートンの運動方程式とはどういうものかから始まって,ベクトルの有用性と次元の関係に飛ぶ。ハウスドルフ次元の話まで紹介し,シェルピンスキーの三角形やコッホ曲線の話を先週の逆2乗則は空間が3次元であることの証拠…

真のオリジナリティとは

上毛新聞のコラム「視点 オピニオン21」に寄稿させていただいているのだが,昨日が原稿締切だった第4回目の記事はオリジナリティについて書いた。別の場所でも何度か書いてきたが,これについては明石散人氏のいう「オリジナリティの基準とは根元ではなく分…

上毛新聞 視点 オピニオン21 連載第3回目

上毛新聞「視点 オピニオン21」欄に,3回目の文章を寄稿しました。今回のテーマは「この世界は3次元空間か:見えるものが全てとは限らない」です。どうぞご覧ください。

その意味がわかるのは

今日は学芸大の入学式だった。引き続いて行われた新入生歓迎講演会では,「HERO」「海猿」「龍馬伝」「ガリレオ」などの脚本を書かれた福田靖さんが講演された。福田さんが脚本家というお仕事に至るまでの紆余曲折や苦労話を面白く,魅力たっぷりに語って下…

宜しくお願いします

本日4月1日付で,東京学芸大学教育学部自然科学系基礎自然科学講座物理科学分野准教授に着任いたしました。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

上毛新聞 視点 オピニオン21 連載第2回目

上毛新聞「視点 オピニオン21」欄に,2回目の文章を寄稿しました。今回のテーマは「当事者意識を持つ:自分の頭で考えるということ」です。どうぞご覧ください。

チーム

2015年の大河ドラマ「花燃ゆ」は,主人公が吉田松陰先生の妹・文ということで,あまり有名な方ではないので視聴率が危ぶまれているそうだ。群馬の人にとっては,この文さんが嫁いだのが松陰先生の親友であり,初代群馬県令(県知事)の楫取素彦(小田村伊之…

リンゴの匂いの記憶

12月の半ばになったということよりも,最低気温が氷点下になる日がやってくると,冬になったなあと思う。僕は長野市の善光寺の近くの生まれだが,ここ前橋に比べると長野はだいぶ寒い。前橋も上州名物からっ風はきついが,長野のようにジッとしていると痛さ…

やっぱり嬉しいものだ

8月に放送大学群馬学習センターの土曜フォーラムで講演させていただいた。80名ほどの方が聴講して下さったと記憶しているが,そのときの記事が載っているパンフレットをちょうだいした。終了後のアンケートによると「熱気あふれる講義で分かりやすく説明して…

夢の叶え方

僕はもう40歳だが,子供の頃想像していたような自分には全然追いついていない。だから「自分のことすら成し遂げられていない半人前の自分が,人様に対して何が出来るんだ」と思ってきたのだが,その考え方が間違っていることに遅ればせながら気が付いた。子…

繋ぐ

アソビとマナビを繋ぐのは「デキル」だ。自分にも出来るという感覚だ。よし,これでいい。

思えば

昨日は松岡正剛事務所マネージャーの和泉佳奈子さんがプロデュースするイベント「そ乃香」vol.5に行ってきた。今回のトークゲストは日本を代表する鳶職人・多湖弘明さん。東京スカイツリーの建設に携わった鳶職人のチームを率い,日本で初めて鳶の世界を本に…

夏の夜

夏の夜はいい。ただじゃ終わらない感じがするからだ。それと対極にあるような気がするのは山の夏の朝だ。清々しいのは,空気と音と景色。顔から上ばかりである。足下には「再び」水滴と化したものがまとわりついている。どうにも山の朝は全てを下に押し付け…

相手からしたらどうでもよいこと・自分だけがすっきりすること

僕は子供の頃からおしゃべりで,昔はよく「口から先に生まれてきた」と言われた。それが悔しくて思い切り反論するものだから,ますます「やっぱり口から先に生まれてきた」と言われるはめになった(笑)学生時代にアルバイトで予備校講師をしていたころに比べ…

150年前と変わらぬ教育内容,か

与えられたカリキュラムをいかにうまく教えるかのみに腐心するのではなく何を教えるかから始めるなら,まずは自分がその分野についてもう一度勉強し直すことからスタートせざるを得ないだろう。もちろん,手を抜かないという「良心」があれば,だが。

教育に関する雑感

幼児期や小学校低学年において行われる、遊びと一体化した学びをどう高学年以上に接続し、昇華させていくか。そうした試みと全く無関係に思える中等以上の教育でどう活用するか、またどのようにして後々活用できるようにしておくか。逆に大人になってからの…

Gaussian source and black holes

Noncommutative geometry is one of the approaches to investigate quantum gravity. We know that it is just an effective theory and would not be so promising to obtain the complete form of quantum gravity. However, it is true that we do not k…

わかった気にさせることと,わからせること

先週の金曜日に群馬高専で開催した群嶺テクノセミナー『ブラックホールの中には何があるのか〜超弦理論が描くブラックホールの姿〜』は,大盛況のうちに終了した。群嶺テクノセミナーは,群馬高専の一般教科(人文科学・自然科学の2科)と専門学科(機械工学…

Fuzzy Objects and their applications to gravity

I have been thinking of fuzzy objects in noncommutative geometry. The trigger was the offer to give a seminar at Nagoya university, where I was questioned about our recent progress in the study of noncommutative geometry, in particular its…

共有

昨日からうちの高専では文化祭が開かれている。その名も工華祭。うちの文化祭は隔年開講で,文化祭が無い年は体育祭が開かれる。僕は高専出身ではなく自分の高校時代は文化祭も体育祭も毎年あったので,これには多少違和感を感じている。そして個人的には,…

周行して殆からず(しゅうこうしてあやうからず)

NOTHの企画で、物理学者で大阪大学教授の橋本幸士さんとトークセッションをさせていただいた。橋本さんとは僕が大学院の頃からお付き合いさせていただいているのだが、よくよく考えてみるとじっくり話したのは僕がカナダのペリメーター研究所にいたころ、橋…

Physical Interpretation of Angular Projection Operators

The fuzzy disc is a disc-shaped region in a noncommutative plane, and is a fuzzy approximation of a commutative disc. In our paper http://arxiv.org/abs/1206.6602 , we showed that one can introduce a concept of angles to the fuzzy disc, by …

履歴を必要としない感動

いよいよ今日で今年度の全講義が終了する。昨日までで大学内容の講義は全て終了し,残すは本科2年生対象の高校物理である。「効果的な教授法」というテーマで工学教育について論文を書いて欲しいとの依頼が来たのもあって,どんな授業をしたら学生は面白いと…

巻き込む!

元日はよかったのだが、翌日から久々に風邪を引いてしまった。実家の長野に帰省中だったのでそのまま4日までそこで過ごし、ようやく5日から仕事が出来るようになった。そんなわけで長野にいた時は熱と頭痛にやられていたのだか、テレビで楽長次郎の黒茶碗を…

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。 本年も宜しくお願い申し上げます。今年はいくつか試してみたいことがあるので、片っ端から実行していくつもりです。乞うご期待!

Field Emission

One of the students of my labo and I have been studying the field emission from carbon nanotubes (CNTs). This emission is the current of electrons from a CNT by quantum tunneling. The emission rate is given by the FN formula. We are now th…

科学イベント

もう10日ほど前のことになるが、日本科学未来館で小学生を対象に「うちゅうのおはなし」と題して講演をしてきた。これは今、ほぼ1ヶ月に1回のペースで行っている一般相対論講座でお世話になっている NOTH.JP の方々からのご提案で実施したものである。前橋の…