ウォータールー行き

気付けば7月も残り僅か。日曜からは英語研修に参加する学生を引率してカナダ・ウォータールー大学に行ってくる。ウォータールーでの2年間のポスドク(博士研究員)を終え,5年前日本に帰ってきたときはまさか毎年のようにウォータールーに行くとは思ってもみなかった。

僕は1週間ほどで帰国するが,学生たちはそのまま残って1か月の研修に臨む。たった1か月で英語力が目に見えてアップすることなどもちろんないし,そんな甘いことを期待している学生もいないが,20歳前後の時期に外から自分や自国を眺めることがかけがえのない経験なのだ。単なる旅行とは違い,自分の英語力のなさを痛感させられることだろう。それがいいのだ。何かを学び取りたければ自分にそのスペースを作らなければならない。そのためにはコテンパンにやられるのが一番だ。

中には「研修前・研修後の学習も重要なんだ」という僕らからの忠告を素直に聞いて,夏休みに入った今も毎日学校へきて会話の練習をしている学生もいる。流した汗は嘘をつかない。きっと何か大きなものを掴んできてくれるに違いない。僕も負けてはいられない。場所を変えると気分や物の見方も変わる。せっかくなので最近考えている研究テーマについて周辺の論文を読み切って帰ってくるつもりだ。